北上大堰は3つの堰からオーバーフローで水が流れる特殊な構造を持つシーバスポイントです。複雑な流れと豊富なストラクチャーが形成するこのエリアは、攻略難易度は高いものの、大型魚の実績が抜群で地元アングラーから絶大な支持を集めています。
北上大堰エリアの基本構造

ゲートシステムと流況の関係
北上大堰の最大の特徴は、3つの堰からのオーバーフロー放流システムです。「北上大堰の様子」サイトでゲートの開放状況をリアルタイムで確認でき、この情報がエリア全体の攻略を左右する最重要ファクターとなります。
ゲート開放数による影響:
通常時(オーバーフローのみ):
- 3つのゲートから上部オーバーフロー
- 比較的穏やかな流況
- 取材時の状態
増水時(下流ゲート開放):
- 上部に加えて下部からも放流
- 流れが劇的に強くなる
- エリア全体の流況が大きく変化
ゲートの開放数により下流域の流況が劇的に変化するため、釣行前の情報収集は必須です。水量がさらに増加すると、上流のゲートが開放され下からも勢いよく放流されますが、通常はオーバーフローでの調整が行われています。
対岸のウェーディングゾーンの魅力

右岸側(対岸)には葦が密生するウェーディングエリアが広がり、水量増加時には特に人気の高いスポットとなります。左岸側は護岸となっているため、平均的に見ると右岸側の方が有利な条件が揃いやすい状況です。
右岸側の特徴:
- 葦が広範囲に生えている
- 水深が比較的浅い
- ウェーディングで立ち込み可能
- 狙いのポイントに近づいてキャストできる
- 水量増加時に特に人気
右岸側は水深が浅く、立ち込み可能な距離まで入って狙いのポイントにキャストできる利点があります。ウェーディングによって、より効果的なアプローチが可能になる点が大きなアドバンテージです
モデレーター水上地元の人達や追波に来る人達から凄く人気のポイント!
下流側の地形とストラクチャーの特徴


川幅の変化と地形
北上大堰堰下全体は、川の上流部のような雰囲気を持つ複雑な流れが特徴です。ボトム(川底)にはテトラや沈み根が多数配置されており、これが攻略難易度を高める要因となっています。
左岸側(堰直下エリア)の特徴:
- 護岸が整備されている
- ボトムにテトラや沈み根が多数
- 流れが複雑
- 大型魚の実績が高い
右手側(下流方向)の地形:
- 徐々に川幅が広がる
- 岸から少し離れた場所に沈み根やテトラが点在
- これらのストラクチャーが魚の居付き場所
これらの障害物周りに付いている魚を拾っていく釣り方が、このエリアでは主流のアプローチ方法です。攻略難易度は高いものの、大型魚がよく上がるエリアとして、地元アングラーや追波川に通うアングラーから非常に高い人気を誇ります。



テトラや障害物に付いてる魚を拾っていくのが主流!
今日のコンディションをチェック
濁りの影響と対策


取材日は田んぼの代掻きによる濁りが入っており、水量も増加傾向でした。濁度は30センチメートル程度で、釣りができるかできないかのギリギリのラインです。
濁りの評価基準:
- 30cm濁度:釣りの限界値
- それ以上の濁り:厳しい条件
- 適度な濁り:魚の警戒心が薄れプラスに働くことも
濁り対応の戦略:
- 波動の強いルアーを選択
- ブレードが2つ付いたバイブレーション
- 視覚よりも振動でアピール
- ベイトの有無も重要な判断材料
取材時はベイトフィッシュの姿も確認できず、全体的に厳しいコンディションでした。これらの要素を総合的に判断してアプローチする必要があります。
降雨後の水温変化
降雨後は水温の低下が起こりやすく、魚の活性に大きな影響を与えます。取材時も2〜3日前からの雨の影響で濁りが入り、水温も下がっている状況でした。
水温低下の影響:
- 魚の活性が大きく低下
- 通常とは異なるアプローチが必要
- タイミング的に早すぎる時期
このような状況下では、通常よりも深いレンジを探ったり、よりスローなアプローチが求められます。
効果的なルアー選択
シーズン初期のミノー戦略
初手のルアー:レガリア(シンキングペンシル)
シーズン初期には表層系のミノーやシンキングペンシルが日中から効果を発揮することがあります。このエリアを初めて訪れる際は、まず飛距離の出るルアーで広範囲をサーチすることが重要です。
使用方法:
- やや表層寄りのレンジで使用
- よく飛ぶルアーで広範囲をカバー
- バイトの有無をチェック
- シンキングペンシルやミノー系が有効
濁り対応での使い方: 取材時のように濁りが効いている状況では、ナイトゲームのようなアプローチが効果的です。シンキングペンシルやミノーを使って、日中でも夜釣りのような戦略で攻めることができます。
日中のバイブレーション攻略
推奨ルアー:レガーレ ディモール(ブレード2枚付きバイブレーション)
太陽が出ている時間帯には、バイブレーションでブレイクや沈みテトラなどの障害物に対してタイトに通していく釣り方が効果的です。
基本的な巻き方:
- 一定速度で巻く
- 5カウントごとにロッドを軽く煽る(ちょんちょんとアクション)
- 1・2・3・4・5でちょんちょん
- これを繰り返す
アクションの効果:
- パタパタと泳ぎながら時々キラキラとフラッシング
- 平打ちするようなイメージ
- 真夏や活性の低い時期に特に威力を発揮
流れへの対応:
- 流れがある時:ミノー系の方が反応を取りやすい
- 流れが緩い時:バイブレーションが効果的
- 上げ潮時:バイブレーションの反応が良くなる傾向
堰下でバイブレーションを使う時は、どちらかというと流れがあまりない時の方が反応を取りやすい傾向があります。
濁り対応ルアー
濁りが強い状況では、視覚的なアピールよりも水の振動で魚にアピールするルアー選択が重要になります。
濁り対応ルアーの特徴:
- ブレードが2つ付いたバイブレーション
- 波動の強いルアー
- 金色などの高アピールカラー
- フラッシング効果の高いもの
取材時に使用したレガーレ ディモールは、2枚のブレードが付いており、濁りの強い状況下でも効果的に魚にアピールできます。
スピンテールジグの活用
推奨ルアー:メガバス 巻きっぱ 40g(シングルフック仕様)
強い流れに対応でき、かつストラクチャー回避能力が高い優秀なルアーです。根掛かりの激しいエリアでは特に重宝します。
使用方法:
- 着水後、カーブフォールで沈める
- ボトムまで落とす
- グリグリと巻き上げる
- 再度フォール
- 巻き上げとフォールを繰り返す
効果的なシチュエーション:
- ストラクチャーが多いエリア
- 強い流れがあるポイント
- ボトムを丁寧に攻めたい時
- 40gは取材時の流れにジャストマッチ
ストラクチャー回避能力: シングルフック仕様のため、テトラや沈み根をすり抜けやすく、根掛かりリスクを大幅に軽減できます。このパターンは海の磯や港湾部でも高い実績があります。
実践的な攻略パターン
日中の機動力重視戦略
北上大堰堰下エリアでは、日中の釣りにおいて1ヶ所から魚が何本も出てくることは稀です。そのため、積極的な移動が釣果の鍵となります。
日中の基本戦略:
- 1ヶ所に長居しない
- 各ポイント3投程度で見切る
- 角度を変えながら広範囲をサーチ
- とにかく足で歩いて魚を探す
- 反応が集中するポイントを見つけ出す
効率的なアプローチ:
- バイブレーションで素早くサーチ
- ダイビングミノーで中層を探る
- シンキングミノーで丁寧に攻める
- 角度を変えつつ遠投を繰り返す
- バンバン切り替えて移動
ポイント選びの要素:
- 淡水量の変動
- 潮位の変化
- 川の水温
- その時々で時合いが変わる
1ヶ所に固執せず、全体を広く浅く探って明らかに反応が集中するポイントを見つけ出すことが重要です。そこで初めて手を変え品を変えて丁寧に攻め込むことで、良い結果が得られることが多いです。
夜間の待ち伏せ戦術
日中とは対照的に、夜間では1ヶ所での粘りが有効になります。潮目や流れの変化を待って待ち伏せする戦術が効果的です。
夜釣りの基本戦略:
- 1ヶ所でじっくり粘る
- 潮の変化を待つ
- 流れのヨレを狙う
- 時合いを逃さない
夜間のルアー選択:
- フローティングミノー
- シンキングミノー
- バイブレーション(ボトム攻略)
- シンキングペンシル
夜間は魚が一定のエリアに集まりやすく、待ち伏せ戦術が功を奏します。日中とは異なり、じっくりとポイントを攻め込むアプローチが求められます。
ルアーローテーションの基本
状況に応じた適切なルアーローテーションが釣果を左右します。
基本的なローテーション順:
- シンキングペンシル/ミノー(サーチ)
- バイブレーション(中層〜ボトム)
- ダイビングミノー(レンジ変化)
- スピンテールジグ(ボトム攻略)
状況別の使い分け:
- 濁りが強い:波動系優先
- 流れが強い:ミノー系優先
- 流れが緩い:バイブレーション優先
- 日中:バイブレーション中心
- 夜間:ミノー・シンペン中心
季節パターンと釣果の展望
春シーズンの課題
取材時(春シーズン初期)は、以下のような厳しい条件が重なっていました。
春シーズンの課題:
- 降雨による濁り
- 水温の低下
- ベイトフィッシュの不在
- タイミング的に早すぎる時期
タイミングの見極め: 取材日のタイミングは、シーズン的にまだ早い時期でした。2〜3日前からの雨の影響で濁りが入り、水温も下がっている状況では、どれだけ良い地形でも釣果は期待しにくくなります。
安全面と法的注意事項
禁漁区域の厳守
北上大堰堰下には明確な禁漁区域が設定されています。看板から200メートル上流は禁漁区域に指定されており、この区域での釣りは法的に禁止されています。
重要な注意事項:
- 看板から200m上流は禁漁区域
- 違反した場合は警察沙汰になる可能性
- 必ず境界を守る
- 看板の位置を事前に確認
競技エリアの境界は看板で明確に示されているため、大会参加者は特に注意して確認する必要があります。法令遵守は釣り人として最低限のマナーです。
ウェーディング時の安全対策
ボトムにテトラや沈み石が多数配置されているため、ウェーディング時は足元への十分な注意が必要です。
安全対策:
- ライフジャケットの着用必須
- 滑りにくいソールのウェーダー使用
- 流れが強い時は特に慎重に
- 単独釣行を避ける
- 潮位の変化に注意
右岸側のウェーディングゾーンは人気が高いですが、安全面への配慮を怠らないよう注意が必要です。
まとめ
北上大堰堰下エリアは、3つのゲートからのオーバーフロー放流という特殊な構造により、複雑な流れと豊富なストラクチャーが形成される魅力的なシーバスポイントです。攻略難易度は高いものの、その分大型魚の実績は北上川屈指のポイントといえます。
成功の鍵となるポイント:
- 事前の情報収集
- 「北上大堰の様子」サイトでゲート状況確認
- 水量・流況の把握
- 天候・水温のチェック
- 効率的な移動パターン
- 日中は機動力重視
- 1ヶ所3投程度で見切る
- 広範囲をサーチ
- 反応が集中するポイントを見つける
- 適切なルアー選択
- 濁り対応:波動系バイブレーション
- 流れあり:ミノー系
- 流れなし:バイブレーション
- ストラクチャー攻略:スピンテールジグ
- 安全面への配慮
- 禁漁区域の厳守
- ウェーディング時の注意
- ライフジャケット着用
- ストラクチャーへの警戒
- シーズンの理解
- 春初期は厳しい条件
- 6月中旬以降が本格シーズン
- 水温安定後は期待大
このエリアの特性を理解し、適切なアプローチを心がければ、きっと満足のいく釣果が得られるでしょう。地形の複雑さとストラクチャーの豊富さから攻略難易度は高いですが、その分大型魚との出会いの確率も高い、非常に魅力的なフィールドです。
右岸側のウェーディングゾーンと左岸側の護岸、それぞれの特性を活かした攻略法を駆使して、ぜひこの北上川屈指のポイントでシーバス釣りの奥深さを体験してみてください。



